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自分の常識は人の常識と違う

家づくりと子育ての共通の落とし穴

子育てと家づくりの感覚は似ている所があると思います。

家づくりをするお客様とお話ししていると、ご家庭の色がそれぞれあります。

それは、さらに自分の親から、そのまた親から受け継がれた精神みたいなものが感じられます。

反面教師的にされている方もいますが、それも反面なだけで方向は同じです。

たとえば「便利」について。

私たちは、技術の変化とともに便利がお金で買えるものだと思っています。

それは悪いことだとは思いません。

洗濯機、食洗器なども機械がやってくれることをわざわざ自分でするかどうかに正解はありません。

でも、その取捨選択を「自分でできるか」どうかは人間にかかっているのではないでしょうか?

イシハラスタイルでは、引き戸にブレーキを付けません。
あの、扉が閉まる時最後に手を挟まないように、ゆっくりになるやつです。

以前は付けていたのですが、あの機能を信じすぎることで力いっぱい扉を閉めると
反動で、その機能部が壊れることが良くありました。

そして、自分で調整し直すのが難しく、業者が呼ばれます。

最初の一回ぐらいは無料で直してもらえますが、そうそう毎回というわけにもいかない。
何年もたったあとだと、人を呼ぶだけでもお金がかかるのは当たり前ですよね。

でも、子供が小さいうちは手を挟むかもしれないことを心配するあまり
機能に頼ってしまう気持ちはとてもよくわかります。

でも、そんなことを考えもしない子供は、よその家に行ったとき力いっぱい扉をしめて
「ばーーーんっ」と凄い音を立ててしまったり、もしかしたら他の子が手を挟むような閉め方をしてしまうかもしれない。

目の前の小さな心遣いを知っているか、知らないかはこの先のその子供の人生に影響します。

子供は、小さな危険を自分で学びながら智慧をつけていくのが理想かなと思いますが、近年、工業化された社会の中で

知ってる子と知らない子の差が大きく開いていると言われています。

親は良かれと思ってしたことでも、子供が外で恥をかく、常識はずれな人間だと思われてしまう。
お行儀の悪い子ねと。。。
世の中の高級旅館など、そんな便利な工業製品はとりついていません。
そう考えると、なんのための便利機能?とも思いますが
親から子へ、その便利なものの良さと相反するデメリットを知り、しっかり判断する。

日本で生まれ育ったのであれば、そのあたりのお作法を知り暮らしをすることに気を配ってみるもの良いと思います。

もともとなければ、壊れることも少なく長く愛着の湧く家のアイテムになることもメリットだと考えています。