家の仕様について

イシハラスタイルの家の仕様について、私の言葉で26項目にわたってご説明します。 お客様一人ひとりの暮らしに合わせてお家のプランはそれぞれですが、「道具のような家」を具現化するため、 わたくしからみてこのようなものがいいのではないか、という材料、工法、構造をまとめております。 住みやすく、快適に、修繕ができ、長く存続可能な家であることを考え続けている中で、 現在ご提案するイシハラスタイルの仕様です。

イシハラスタイル代表 石原 真


(13) 金物について(素材など) 

コンセントなどのプレートも金属製であったり、屋外の雨樋も金属製とします。 金属の中でもいろいろな種類があり、その特性を理解したうえで計画します。 ステンレスは硬く、錆びにくい反面、いつまでも綺麗すぎてしまったりもします。 真鍮は、ほど良くエイジングしてくれて味わいが出る反面、柔らかい金属です。 いずれも、適材適所。数十年後をイメージしながら、金物の一つひとつをご提案します。

(14) 内部建具について

地元の建具店に制作してもらいます。現場で採寸し、一本一本、丁寧に作ります。
ラワン合板をデザインし使うことが多いです。ラワンは杉やオーク材との色目や木目の相性が良く思います。 使う金物は真鍮製が多く、毎日使っていくほどに愛着のわくものとしています。
木材という自然素材は季節(湿度)により収縮や反りを伴い、建具という動くものという性質上、 どうしても動きが悪くなったりすることもあります。しかし、これは既製品に対しての弱点ではありません。 そのようなときは、サッと駆け付け容易に調整することが可能ですから。

(15) 塗料について

まず塗料について理解しておくべきことがあります。とくに屋外に使うものについてです。
屋外の環境はさまざまな事象によりとても過酷な状況だということです。100年ほどの人間の生きる時間軸のなかで、 唯一ノーメンテで耐えられるものはおそらく石くらいしか存在しません。
そのなかで、少しだけ素材の寿命を延ばすための材料の一つが塗料です。この塗料に関しては、 かねてからさまざまな塗料メーカーの製品を使ってきました。どの商品も一長一短あり、どれが一番良いと言い切れないのが本音です。 耐久性が長い短いの差は数年レベルの差です。加えて、置かれている環境により大差がつきます。 例えば、木材の外壁材の寿命が45年とします。こまめに最良の塗料をつかって塗り替えを重ねて50年使えました、 という感じでしょうか。塗料のもちは、塗料自体の性能の差も多少はありますが、それよりも、紫外線、雨、風の状況です。 紫外線により塗膜が侵され、風が運んだ砂により削られ、雨により流される、という自然状況で剥離していきます。
これを解決できる塗料は存在しません。このことを理解したうえで、 最近は水性のウッドエイドシリーズを使うことが多くなっています。 シリコンが含まれ撥水性が良く、塗膜が程よく厚く、木材との相性にも問題がなさそうだからです。 数十年先にどうなっているかはなんともいえないところですが、水性のため有機溶剤の匂いがなく、刷毛などの洗浄が水でできること。 新国立競技場でも採用されたこと(他塗料メーカーと沢山比較されたうえ)。 加えて、実際に自らも曝露実験をしてなかなか耐久性が高そうでメンテナンスもしやすそうだと実感し、 かつ国産品であること、価格も納得できるもの、などの理由からウッドエイドシリーズを使っています。 屋内に使う塗料は、基本的には自然塗料と呼ばれるオイル系のものです。
オイル系塗料のクリアタイプは、肌触りが良く、基本的にメンテナンスが容易で、ウエスに塗って拭き取るだけで完了します。 住まい手さんによるメンテナンスは、お家が一番喜ぶことです。 オイル系塗料も、多くのメーカーから販売されていますが、どのメーカーも甲乙つけがたいところがあります。 現在(2021 年)は、プラネットカラーを使用しています。
お好みにより、建具や枠材に柿渋を塗ることもあります。これも毎年かさねて塗っていくと、何ともいえない素晴らしい味わいが出てきます。

(16) あかり(照明)について

照明の計画は、空間やお好みに応じて計画します。
基本的な考え方は、「必要なところに必要なあかり」です。あかりを取り付ける高さも重要です。 陽が落ちて暗くなってから、どのような作業をし、どのような効果を求めるか、しっかりとイメージを共有したうえで配置します。 天井につける必要があるのか、壁につける必要があるのか、動かせるほうがいいのではないか、 必要なときに足せばいいのではないのか、など、たくさんの場合を想像し、シュミレーションをして決めます。
使う照明器具は、さまざまですが、素材が良く、きれいなあかりを出し、メンテナンス性が良いものを選ぶことを心掛けてます。

(17) キッチンについて

弊社のオリジナル、タフなキッチン® を提案します。素材はオーク仕様のものとブラックチェリー仕様のものとありますが、 いずれも道具として使いこなしていくキッチンが良いという考えに基づいた仕様です。 家具のように、床や壁のタイルが仕上がった後に設置していきます。後から設置するということは、 パーツとして取り換えることができるということです。扉や抽斗は、必要なところに設ければよく、不必要な扉は要りません。
毎日使うことに耐え、年月とともにキッチン自体も育ち、おいしい料理がつくれる土台で、家族みんなの笑顔が生まれてゆくキッチンであって欲しいと願います。 天板は、ステンレスでも木製でも製作します。木製天板に不安を覚える方も多いですが、 弊社のお客様は半数以上が木製天板を選んでいます。常時濡れっぱなしは木にとって良くない状態ですが、水仕事のあとにサッと拭いておけば大丈夫です。
厚みのある無垢材を使用しているので、傷や汚れも、年に1回程度、サンドペーパー片手にオイルでメンテナンスすれば綺麗な状態を保つことができます。
前述したように、どうしてもとなれば、天板のみを取り換えることも難しいことではありません。 みんなが集まるダイニングにあるキッチンの計画では、木製天板のキッチンは空間にとてもよく馴染み、長い年月をかけて味わい深く育っていきます。

(18) お風呂について

在来工法の浴室を提案します。在来工法の浴室とは、ユニットバスではなく、タイルを貼ったお風呂です。 設備として割り切り、交換することを視野に入れて住んでいくのであればユニットバスも良いものですが、 壁や天井、浴槽もプラスチックの部材となり、自然素材で建てた家のなかで違和感を感じる空間となってしまいます。
一方で、弊社で提案する在来工法の浴室は、床と壁にタイル、天井は水に強い桧の板を貼り、浴槽 は鋳物ホーローのバスタブを置きます。埋め込まないことによって、漏水が起きているかどうか確認できないブラックボックスのない清潔な空間ができると思います。
シンプルな構成、工法により、費用の上昇を最少限に抑えます。
わたくしの自宅も在来工法の浴室で17年ほど経ちますが、新築当時とそんなに変わった印象はありません。 メンテナンスや目地のカビについてご心配される方も多いですが、どのようなものでもメンテナンスやお掃除は必要です。 どこであれ条件がそろえばカビは生えます。しかし、タイルは非常にタフな素材であるため、ガシガシ掃除ができます。
また、天井の桧板はのちに取替ができる作り方をしています。毎日桧の匂いを堪能しながら入浴することができます。
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