
行用の家 タフなキッチンで叶う。生活感が「好き」になる。ひとつなぎの空間。
059 行用の家
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田園のひろがる小さな集落。
生活道路から細い道に入ったところに行用の家があります。
周囲を家に囲まれながらも、伸びやかに健やかに暮らせるように。
外空間の気持ちの良い陽射しや眺めを"ウチ"に取り込みました。
決して小さなお家ではないけれど、長く住み続けられる家として
どのお部屋、空間だって「無駄のないプラン」
仕事も子育ても、理想とする暮らしだって。
ひとつひとつの願いを叶えることを
諦めずにじっくりと向き合った家づくりとなりました。
■床面積
1F床面積: 72.00m²(21.75坪)
2F床面積: 54.00m²(16.31坪)
総床面積: 126.00m²(38.06坪)


ハードユーズに耐えうる自然素材と落ち着きのある空間で
通いたくなるサロンとなりました
理想の暮らしも子育ても仕事もあきらめないでいい
もちろん誰かがお泊りに来た時のお部屋にだって使える


回り込んで洗えるのって気持ちいい!

用途を限定しないことでお家を無駄なく使えます

長閑な風景が遠くまでひろがっている

横にあるのはパントリー収納
タオルバー追加したりフックをぶら下げても◎
「土地を一緒にさがすことからスタートした家づくり」
実は、建主さんはイシハラにとって姪っ子家族という間柄。家づくりを検討しているとのことで、土地を購入する前に相談をしてくれたことが家づくりのスタートでした。
当初の大まかな希望はシンプルで「車が3台停められて、かつ広い家がいい!」というお話でした。
そのほかにも普段の暮らし方や理想とするイメージも伺いながら、どうしたら建主さん家族がより豊かに暮らしていけるのか、土地探しについて設計士目線で大事なことを伝えました。
たとえば、人気の〇〇学区!駅、スーパーまで〇〇分!大通りに面した南向きの土地!というよりも、
静かに暮らせること、子どもが飛び出して危なくないこと、大開口を設けたとき心地よく暮らせる土地…などです。
(もちろん、これもあくまで”行用の家の場合”のお話。)
単純な敷地の広さや方位、人気の立地であるかということよりも、
実際に暮らしはじめてから心地よく生活できることのほうが、きっと幸せにつながると思うから。


-土地との出会いは突然に-
なかなかピンとくるものがないまま数か月たった、ある日。
これいいんじゃない?という土地が現れました。
その土地は田園地帯の小さな集落にある「市街化調整区域」の土地でした。周辺地域へのアクセスも悪くなく、しずかで南側に開けた土地、将来的にも目の前を遮るような建物がたつことはないでしょう。少し高いところから見渡すと遠くには西尾の山が連なって見えます。
もちろん「大きな家、車3台」も申し分ない土地(!)
その土地を見たときに、
のびのびと暮らす住まいのイメージが沸々とわいてきて、
子育て世帯である建主さん家族にぴったりだと感じたのです。
実は他にも候補地はあったのですが、妥協せずに焦らずじっくりと家づくりに向き合ったことで「本当に叶えたい暮らし」が明確化され、ぴったりのタイミングでこの土地に出会えたのだと今は思います。
-土地をよむプラン-
土地が決まると、まずその土地の気持ちの良い場所はどこだろう?ということから考えます。
いくら南側が日当たりが良いと言っても、目の前に景観として心地いいものではないものがあったならば
せっかくの良い日当たりがあってもカーテンを閉め切った暮らしになってしまいます。
この土地は三方を家に囲まれているため、どの方向に視線を開き、気持ちの良い外空間や日差しをどのように家の中に取り入れるか?ということを考えました。
幸い南側に開くことのできる土地でしたから視線の抜ける位置には大開口を設け、閉じるべきところは閉じ。
のびのびと暮らすことができる住まいとなりました。
時間とともに光と影が移動していく姿になごむ。
二階部分から吹抜けをのぞきこむと料理する姿も見えますね。
朝キッチンからの音、におい、自然の光で目覚める。
「おかーさん、きょうのごはんなにー?」

照明計画にも注目。
大小、形も素材もメーカーも、さまざまな種類のものがついています。
長く使っても飽きのこないシンプルなデザイン。品の良い本物の素材だから長く使える一生モノ。
家族の集まるダイニングには照明器具の名作、スカイフライヤーを選びました。
ひとつなぎになっている空間だからこそ、ひとつひとつの照明にも意味があります。
室内をやさしく照らす物、手元の作業を明るくするもの。
食事の時間を豊かにしてくれるもの。
移動して必要なところに明かりを足せるもの。

子育て真っ最中の建主さん家族。
家づくりは夢だけでなく現実的な話もしなくてはなりません。
予算の中で自分たちの暮らしに必要なもの、そして必要ないものを一緒に考え、家づくりで叶えたいことを実現しました。
土地の探し方だけでなく、長く住むうえで後から変えられない部分や良いと納得したものは諦めないこと。
自分たちの老後、子どもたちに残せるものを考えたときに、困らないものを選ぶことも、子育て世代の家づくりには必要なことです。
心地よく安心して暮らしていくために。
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