058 清田の家

蒲郡の山間部に面した町。
入り組んだ細い道をすすむと母屋のそばに、板張りの木の家の姿が見えてきます。
土地に逆らわない南北に延びる長方形のかたち、
将来的な暮らしの変化にも対応のきく仕上げとプラン、
照明も”あえて”必要最低限に抑えての計画です。
鋳物薪ストーブのある土間は火を眺めながら腰かけて、
遅くまで語り合うのもいいだろう。

南の窓からは蒲郡市街の奥に海が見え、
ミカン畑を通り抜けた爽やかな風が家の中を駆けます。

自然とともに”今この時を生きる”を楽しむこと。
便利な考え方は取り入れつつも、自然の流れに逆らわない。
清田の家の暮らしには、人間らしく幸せにいきるために
本当に必要なことってなんだろう、の答えがあります。

 
すぐそばに母屋、畑を挟んで隣の家、目の前にはミカン畑。蒲郡の古き良き風景も残す環境。
眺めも良く気持のよい南側に内戸つきの窓を設けることにしました。
気持ちの良い日差しや風をとりこむだけでなく海街を見渡すことができます。
秋の夕方。あえて照明は最小限に。
ほの暗さにつつまれながら夕暮れ時の景色をぼんやりと眺めて。
タフなキッチン®
open部分にある棚にはかごで収納をアレンジしたり、自慢のお鍋も使用後はそのまま収納。
手持ちの家電や生活道具、調理の癖にあわせて収納サイズ、穴の位置、天板の大きさを考えます。
メンテナンスのことも考え配管もあえて「隠さない」のがみそ。
 
大きな南の窓からは柔らかな光。台所と食卓がこの家の中心。
薪ストーブの煙突は吹き抜けを通り、二階へ。あたたかな空気が循環します。
土間に腰かけて、いつまでも尽きない話をしよう。
 
室内も外壁と同じく杉板張りです。
工業製品ではないため大工仕事で一枚一枚コンマ単位での調整のうえ、一階から二階まで張りあげます。
時間も手間もかかる仕上げですが、やるだけの価値があります。

清田の家のテーマのひとつ、工夫しながら住むこと。
日々の暮らしを自分の使いやすいようにカスタムしたり、明るさが欲しいときに照明を足したり。

どんなふうに住もう?ってかんがえること自体がたのしい。
 
寝室に設けた窓からの緑。
朝日とともに起き、日が暮れたら家族とくつろいで眠りにつく。
健やかに人間らしく。
 
■床面積
1F床面積: 46.92m²(14.17坪)
2F床面積: 45.26m²(13.67坪)
総床面積: 92.18m²(27.84坪)

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