家づくりでは使用する素材の耐久性、機能やコスト以外に、「好みの見た目や暮らしやすさ、愛着」についても注目してほしい部分です。
具体的に「好みの見た目や暮らしやすさ、愛着」が、道具のような家のどこに表れているのか考えていましたら、室内建具を紹介したくなりました。
ここでは過去のお家に採用された「建具」を少しだけ紹介します。
住空間における建具の役割は、人が出入りする場所であるとともに、
- 空間を区切る、仕切る
- 光や風を届けるor遮る
- 防音 …などの役割もあると思います。
道具のような家の室内建具は、お家ごとに建具図を描き、地元の建具職人さんに制作してもらっています。
■空間を区切る室内建具
幅や高さ、見たときのバランス、使用する材料も部屋の用途や室内の仕上げを考えながら検討します。
空間を区切るものですが、扉のその先のを感じられるもの、ガラスを埋め込んでみたり、繊細な格子で印象をつけてみたりできるのもオリジナルならでは。



■光や風を届ける室内建具
見た目のオリジナリティや「空間を区切る」以外にも、光や風をとどけるorしっかりと遮ることもできます。
①すり硝子のはいった引き込み戸
こちらのお家ではトイレに窓はありません。しかし扉を隔てた洗面廊下には天窓があり自然光が降り注いでいます。すりガラスでプライバシーをまもりながら採光しています。
②和紙の内障子
光をやさしく通す和障子。フローリングの空間にもなじむシンプルな格子がかわいらしい。
③格子の内障子
ほどよく光を遮りながらも風も通すことができる内障子。
④寝室の内障子
寝室によく採用される定番の内障子。壁の仕上げに合わせて塗装しています。今回は壁の珪藻土と同じ色味。
■こんなこともできちゃいます。





(猫居間のある家)こちらのお家は猫と暮らすご家族のお家です。
階段-吹抜け-窓枠-見せ梁-そして二階へ・・。
キャットウオークでぐるっと回遊できたり、人間と猫ちゃんがお互い程よい距離感で暮らしていけるようなお家です。
猫も自由に出入りしても良いお部屋の扉には、革のちいさな小扉を設けていたりと、室内建具も”ほどよい距離感の暮らし”に一役買っています。




(subaco)施工例には掲載のない写真ですが、subacoの二階にある4.5帖ほどの個室です。
用途としては、寝室 兼 仕事部屋。こもれるのでしっかり集中できそう。
この小さな扉は、建具というよりは大工仕事で作られた小扉ですが、
一階の家族の様子をうかがったり、煮詰まったときに「ふっと扉を開いたなら」気分転換になりそうです。
■まとめ
仕様26項目にもあるとおり、動きが悪いなと感じたときにはすぐに駆け付けて調整できること、
補修したいのに廃盤になった!ということがないことは、
長く家に住むことを考えたら嬉しいポイントだと思います。
(文/佐々木)