自然素材の塗り壁材で知られる、珪藻土と漆喰。
それぞれどんな違いがあるのか、その特徴や機能についてまとめてみました。
- 原材料はどんな素材ですか?
- 仕上がりの質感
- 機能性
- まとめ
- さいごに
1.原材料はどんな素材ですか?

漆喰
漆喰は消石灰(水酸化カルシウム)が主原料です。
消石灰とは石灰石(炭酸カルシウム)を1000度以上の高温で熱したもの。
それを水・のり・繊維等を加え練り上げたものが漆喰です。
消石灰は空気中の二酸化炭素を吸収し続けながら、100年ほどの時間をかけて石灰石に戻っていきます。
水に強く外壁材として姫路城などで使われていることでも知られています。日本でも古くから使われている自然素材となります。
(画像引用元イケダコーポレーションhttps://iskcorp.com/)

珪藻土
珪藻(藻の一種)という植物性プランクトンの化石が主原料。
珪藻土自体は非常に細かい穴を無数にもつ多孔質素材で、高い吸水効果があります。
バスマットなどにも幅広く利用され生活に身近な素材です。
耐火性も高く、耐火レンガの原料や七輪にも利用されています。
珪藻土にも種類がありますので、家の建材として利用する場合には用途に適した珪藻土であるかが重要です。

イシハラスタイルでは100%自然素材でできた珪藻土、MPパウダーを標準で使用しています。このMPパウダーは「つなぎ」となる糊にも化学物質が含まれていないため、経年による劣化(※1)が起こりにくいと言われています。(※1 壁をさわったときにポロポロと塗り壁が落ちてくる状態のこと)
材料は4つ!口にしても安全性の高い材料のみからできています。
珪藻土:北海道の稚内で採れた珪藻土。孔の大きさが塗り壁材に適したメソポア(2~50㎚)のみを使用。
食用でんぷん:材料のつなぎ、塗りやすさ施工性を高める。
白土(火山灰):国内で採れた土。色合いにより配合量が変わる。
セルローズファイバー:植物性の繊維。ヒビ割れを防止する。
以上4つの材料からなるシンプルな珪藻土ですが、絶妙な配合バランスでオリジナル調合したもののみを使用しています。
珪藻土の配合が多いとベージュ色のような仕上がりとなり、白土の配合が多いと白っぽい仕上がりになります。ちなみに珪藻土の配合量が多ければ調湿効果も高まります。
2.仕上がりの質感の違いはどんなもの?


珪藻土そのものの質感を生かした、ざらざらとした仕上がりです。

粒子が細かく、仕上がりはつるんっとなめらかです。艶もあります。

質感は珪藻土と同じように表面がざらざらとしています。
チタンアパタイトが混ぜ込まれているので清潔感あふれる白さも特徴。
3.機能性
調湿性
珪藻土と漆喰は共に調湿力に優れ、空気中の湿気が多いときには湿気を吸い込み、乾燥しているときは湿気を放出し、湿度を40~60%に保ちます。天然の多孔質材料である珪藻土はより調湿力が優れているのが特徴です。
脱臭効果

珪藻土の持つ多孔は嫌な臭いを湿気と共に吸着します。写真は珪藻土ともに煮干し入れたもの。密閉されていましたが全くにおいません。
漆喰はアルカリ性なので、汗や皮脂、加齢臭、生ゴミ臭など、酸性のにおいを消臭するのが得意です。水溶性のにおいも水蒸気と一緒に漆喰の壁に吸収されるので、複合的に消臭してくれます。また、漆喰もホルムアルデヒドを吸着・分解する働きがあります。
耐火性
建材の防火性能は建築基準法により、不燃材料・準不燃材料・難燃材料の3つに分類されます。漆喰と珪藻土は最も防火性の高い不燃材料に分類されています。万が一の火災の時も、延焼を防ぐこともできます。
抗菌防カビ
漆喰はアルカリ性で高い抗菌性能があると言われています。年月をかけて少しずつアルカリ性から中性へと変化し、それに伴って抗菌防カビの効果は低下してしまいます。
珪藻土は調湿機能が高いのでカビやダニの抑制ができますが、抗菌効果はありません。
「抗菌効果もある珪藻土があるといいな」と思った方に朗報です。
イシハラスタイルでは高機能抗菌珪藻土フラッシュクリーンも取り扱っています。
フラッシュクリーンとは光媒体チタンアパタイトと珪藻土を融合させた塗り壁材です。
光媒体チタンアパタイトとは太陽光や人工光などの光源から光を受けて、物質表面が強力な酸化作用を生じ、壁の表面に触れている細菌やウイルス、有害物質を分解・除去する力があります。
引用:イケダコーポレーション
https://iskcorp.com/swiss-certificare/
引用:株式会社ユーディ
https://www.useful-d.co.jp/product
4.まとめ
漆喰も珪藻土も世の中には沢山の製品が販売しています。

表記は漆喰、珪藻土とあっても接着剤に何が使われているかは製品により異なります。それによって機能としての効果や値段、耐久性が異なります。
「自然素材」と思っていても化学物質が配合されている製品もあります。機能性に期待する場合には成分を確認し、目的に適した材料選びをすることが大事です。
5.お手入れについて
「イシハラスタイルオリジナル珪藻土は自分で補修できてしまう」のも、嬉しいポイント。
準備するものは、お引渡し時にお渡ししている珪藻土と霧吹き。
クレヨン等などのシミ、汚れ、キズ、気になる箇所をしっかりと濡らし、珪藻土を練ったものを少しずつ載せて馴染ませます。
詳しい補修方法は以前youtubeでもご紹介していますので、こちらからご覧ください↓