五感を育む ってどういうこと?

投稿者:

昨日、お引渡しして5年経つ碧の家に取材に伺いました。

今回は「引き渡したお家のその後の暮らし」の取材という目的でお邪魔しました。

ですので写真や動画を撮影しながら、雑談を交えインタビューをしていたのですが、

(サ)お家の中でお気に入りの場所はありますか? という問いに
(住)お気に入りの場所はソファです。気持ちのいいお庭が見えて毎日幸せです、と。

ふとその言葉を聞いたときに、毎日を愛おしみ暮らす、生き方のヒントがあるのでは?と感じシェアしたいなとブログを書いています。

お家の一番気持ちの良い場所に作りつけた造作ソファ
住まい手さんのお気に入りの造作ソファ
お家の壁の中に引き込める障子・格子戸・ガラス戸。すっきりとした印象に。

そもそもそのソファはお家の中でどんな場所かというと・・。

庭、テレビ、ダイニングにいる人が見える、吹抜けには開け閉めできる障子があり風が通り抜けて、空の見える明るい陽射しが端っこに降り注ぎ気持ちの良い場所です。

五感を育む家 とは幸せセンサーを育む家

よく自然素材を使用したお家を表すキーワードとして使われる、この”五感を育む家”という言葉。

でもなぜ五感を育むと良いのか?については、

「好きだから」「気持ちがいい」「心地がいい」からと感覚の話だけで伝わっているのが勿体ないなあ・・と感じています。

たとえば珪藻土を使う理由だって「調湿性」が「気持ちよさ」に繋がるから、天井高を抑えて、吹抜けで高さのメリハリがあると「落ち着き」から「解放感」も感じる。

選ぶ素材、何を優先したのか、

人間が快適に過ごすために・・。

寸法ひとつとっても意味がないものなんてひとつもない。

同じ土地でも、どんな素材を使いどのように設計するかによって、まったく異なるものになるわけで言語化が難しい「感覚」を侮れない。

碧の家のお庭、一色町の庭師、嘉エ門さんに依頼しました。

適度に緑が生い茂るお庭。ご実家から持ってきた”つわぶき”についていた土から自然発生した苔やシダが植栽と馴染み、豊かなお庭になっていました。

そもそも五感とは、手や頬、足から感じる肌触り、鼻先で感じる季節や天気、木の匂い、

目で感じるものとの距離感や圧迫感、光と影、嬉しい、悲しい、わびしい、感無量などなど。

ポジティブな感覚もネガティブな感覚もひっくるめて、

心と体で感じることのできるこれら全ての「感覚」のこと。

子どもの頃は皆、日々当たり前に感じていた五感、

大人になるにつれ仕事や家のことに追われ、

自分に与えられた「感覚」をきちんと味わえてない人もいるのではないだろうか。

市の中心部でにぎやかな時間帯ですが

晴天の昼間だけど、寝室は驚くほど静か。

「眠る」ために、ほの暗い・静かである・囲われていて安心感のある寝室。

五感は人間に与えられた生きていくために必要な感覚。
感覚に対してきちんとそれを感じてあげること。日々たんたんと過ぎていくだけではなくて、感覚を味わい自分にとってなにが快適・不快なのか感じること。それを繰り返すことで五感のセンサーが磨かれていく。


「意識したことが気になる現象」

例えば、車の買い替えを検討しているとき。

ネットで希望する車を調べたあとに、同じ通勤ルート、同じ時間にもかかわらず、

行き交う車のなかでイメージしている車がふと目に留まることはないだろうか。

たまたまイメージしている車が多く走っているわけではなくて、

意識しているか、していないかの差だそうです。

同じように五感センサーは快適なものにフォーカスしたら、自然と快適なものごとに意識が向かうし、逆もしかりなのだ。
これはこのところ人間が幸せを感じて生きるためには最も大事なことだと考えていて、

家づくりにおいて五感を育むことの重要性を感じずにはいられない。

日々の暮らしに当てはめてみると、
季節を感じてみるだとか、窓から見える木々が美しい、朝小鳥のさえずりで目覚めたり‥。

それらは特別感のある出来事ではないかもしれないけど、快適センサーが磨かれているから日常に幸せを見つけることができるのではないかと感じている。

五感を磨く空間にいることで自然と、自分が快適と思えるその感覚を大切にできる習慣が身につく。
=(イコール)幸せを感じやすい体質になるということ!


五感を育むのは子どもだけではなくて、大人にこそ必要じゃない!?と感じたお話でした。

さて、今回取材したお家については、

後日”おじゃまします”の記事として公開しますのでお楽しみに!

(写・文/佐々木)