歴史が証明する「木」という素材の力。

こちらのお家は2013年に竣工した「風の通る家」。
外観の仕上げは、板張りです。
使用する素材は木そのもの。自然にある「杉」です。
イシハラスタイルでは愛知県産の杉の赤身・芯材とよばれる部位のものを使用しています。
「杉」という素材は規格化された工業製品のように耐用年数は明確にされていませんが実は外壁材としても優れた素材です。
素材と外観のこと
昔から日本人の住まいにはなじみ深い素材として外壁材に使用されてきました。
外壁は雨風にさらされる部位ですので、風の通る家にかかわらず外壁材として使用する場合は軒の深い屋根がかかる外観になっていることが多いです。
屋根、軒の出は「見た目の良さ」だけで決めているのではありません。
日差しをほどよく遮り、外壁を雨風から守るという役割もあります。

ちなみに外壁材として使用している「杉」ですが、外壁材としても優れている材料です。
杉の赤身・芯材を使用した建物のなかには外壁無塗装ノーメンテで30年以上のものもあるようです。
昔から使用されている素材には選ばれるだけの理由があるといえます。
さらに適切なタイミングでオイル塗装などのメンテナンスを行うことで紫外線から守り、より美しく長持ちするお家になります。
地域材を使うこと
日本人の花粉症は国民病ともよばれることからもお察しのとおり、日本には桧・杉が多く植えられています。「日本では、北海道以南の人工林には主に、スギがたくさん植えられています。平成29年3月31日現在の人工林樹種別面積は、スギ44%、ヒノキ25%、カラマツ10%、その他21%となっています。(農林水産省HPより)」
愛知県は平野部の広がる地域ですが、実は県土の4割が森林で占められていることをご存じでしたか。
そしてその森林のうち64%は人工林(木材として使うために育てている森林のこと)。これは全国3位の高い数値で、これまでに盛んに植林が行われたことを表しています。(愛知県庁HPより)
多くは1970年代に植えられたもので、現在では建築用材として適した樹齢のものが多くなっています。
しかしその一方で使用されることがないまま、人の手もはいらず放置された森林もあります。
実はこのところ人工林にひとの手が入らないことが問題にもなっています。
放置された森林は荒れはて、土砂崩れの原因や森にすむ動物のえさが育たず人の住む村にでてきてしまうなど、私たちの身近な暮らしにも影響がでてしまいます。
地域の木を使うことは、森を守る活動に参加することです。家自体を心地よくするだけでなくエコで合理的な選択だったりするわけです。
自分の家を建てることで森を守れるとしたら、少し誇らしくなりませんか。
木の経年変化はいかほど

上の写真は「風の通る家」の現在の姿です。
新築時から築8年経ったころのお家の写真をいただきました。
家を建てるときには数十年後の姿は想像しがたいものです。
しかし、思い出してみてください。
近所を散歩しているときに「板張りの古いお家」残っていませんか?
最近、木の外壁の経年変化の調査を細々と時間を見つけては行っています。
張り替えずにそのまま住まわれているお宅は築30~90年と幅はありますが、下の写真のように定期的にメンテナンス(10年毎に塗装)を行っているお宅の外壁は築45年でもまだまだ現役でした。

自然素材って意外とタフな素材なのです。
心配性な人だからこそ安心して選ぶことができる素材なんじゃないかな、と思っています。
そのほかにも、素材を選ぶ理由・長持ち・飽きない為の工夫・など家づくり勉強会で詳しくお話ししております。
家づくりはまだ先、まず初めに何をするべきかわからない人も知って損はない内容となっておりますのでお気軽な気持ちで事務所に遊びに来てください。
TEL0563-58-1231