サブウェイタイルは廃れた・・・!?
わたしがいつも恐れていること。
それは、施主が流行っているものに興味を抱いてしまうことです。。。
同じ感覚をもって家づくりをさせてもらうと、そういう不安が少なくて安心して設計できます。

さきほど面白い記事を見つけました。

サブウェイ・タイルは廃れ、青緑色は流行りそうだ。
とのことです。愛知県の西尾市では流行りは数か月から数年遅れてやってきますが、最近はSNSのおかげで割と遅れもなくやってきます。このところ流行っていたサブウェイタイルに時代遅れだとの記事。
サブウェイタイルとは、アメリカ・ニューヨークの地下鉄で使われ始めたタイルの一種で、一般的に多いサイズは15センチ×7.5センチ程の長方形の艶やかな光沢があるタイル
こうして煉瓦張り(目地を半分ずらしたでディール)して、また目地を黒っぽく目立たせるのも特徴かもしれません。
これは、建築士としては危険な領域だと思っています。インテリアコーディネーターの資格だけで仕事をしてた時はあまり思わなかったんだけど、建築を学んでいくうちに、タイルなどの仕上げに特徴を出すことに不安がずっとあります。ファッションの世界だって絶対に永遠に一番人気のスタイルってありません。中にはポリシーをもってアメカジだったり、ナチュラルスタイルって方もいらっしゃって、そこまでの領域の方なら何にも申し上げることもありません。所さんの世田谷ベースのすたいるでずっと行けるほど愛があるのなら、応援しまくりです。
でも、一生に一回の家づくりだから気合を入れて情報集めして「カフェスタイル」に行き着いた方や「無機質モダン」を求めて、家自体、どこか壊してやり直さないと他のテイストに変えられないような雰囲気づくりをした場合、20台で家づくりをして60歳になったとき、本当に、そのまま住んでいるイメージができるのか?それとも35年の建替えサイクル通り家を建て替えたい気持ちになるのか?の原因の一つになり得る事態だと思います。
下は同じ煉瓦張りをしたキッチンの施工写真ですが、違いがわかりますか?
自分の物件だから贔屓目にみてるわけではありません。
タイルには廃盤があります。流行りのタイルは数年で廃盤となり消えていきます。定番のタイルは数十年のレベルでなくなりません。それは人がかかわってきて、ずっと需要があるものだという裏付けです。
上手に言葉に出来ませんが「古くなって良くなるもの」「機能が美しく輝くもの」
それこそが、長い間ともにする家には必要なんじゃないか、と熱く熱く思っているわけです。
なので、タイルを他のものに変えられますか?と普遍的じゃないタイプの物の名前が出ると、若干、不安な顔になってしまいますが、それを踏まえても、別のものにしたい場合はそこまで反対はしません(笑)
その一線は、誰にもわからない領域ですもんね。
私たちからは、かわったタイルの提案はしないってことだけは確かです。それだけ。

あと、うちはお金に困ってないので嫌になったらリフォームするからいいの!って方もいらっしゃるだろうし。
その場合は、お家が壊される事態はやっぱり残念で悲しいし、躯体はもっともっと長く持たせることが可能につくっているので、リフォームぐらいでしてもらえると有難いです。
ちなみに、↑の記事、青緑の壁もそのうち廃れるよね。いずれにせよ、家をアートのようにするのはちょっと違うかな?と思っていることをお伝えできれば嬉しいです。