タフなキッチンの現場検証 写真・文 エーランチ

イシハラスタイルと家具デザイナーの村澤一晃さんの
ワークショップを参観、その様子をレポートします。

場所は蒲郡市のA邸、施工中の現場。
股旅社中愛知地区のエリア会員候補・O工務店の大瀧さんと、
股旅社中相談役の鹿児島のV工務店を最近卒業して
ソロ活動を始めた中村さんも参加しました。

ワークショップのテーマは、「タフなキッチンver.2」の完成品現場検証。
初号のタフなキッチンは無垢チェリー材のワークトップと
鉄フレームでしたが、今回はフレームも木製。
天然素材の大切な表情であるフシのあるオーク無垢材です。
道具のような家をめざすイシハラスタイルの家づくりにおいて、
ダイニングやリビングとつながったオープンキッチンをプランする際に、
見た目も使い勝っても道具と呼ぶにふさわしい、
すなわち家具の佇まいと機能性をしっかりとそなえたキッチンを
つくりたいという発想がタフなキッチンの原点です。

今回A邸に設置されたキッチンでまず目を引くのが、脚部の太さです。
47mm角。こんなグラマーなオークの角材が、家具や造作に使われているのを見たことがありません。
引出しの前板、棚板、キャビネットの天板に使われているのも厚みのあるオーク無垢材。
イシハラスタイルの住宅空間に相性良く佇みます。

引出しを開けると、内部構造は桐の無垢材。
蟻組みという伝統的な工法で組まれた箱は、ビスや釘を使わない職人ワザでつくられています。
そして、引出しレールを使わない昔ながらの構造は、工作精度が要求されるつくりです。
目地がきっちりそろっています。引出しをちょっと勢い良く押し込むと、
他の引出しがふっと飛び出します。
カンナをあてながら調整するからこその仕上がりです。

これまで、軽い力で開け閉めできて、ものによっては吸い込まれるように
引出しが閉まる金物レールは上位の仕様かと漠然と思っていました。
しかし、そもそもレール金物は合板で引出しをつくるために用いられたそうで、
無垢の箱なら金物を使わなくてもいい、
ということを知ったのは目からウロコでした。

このキッチンを製作しているのは、
職人技を注いで箱物家具をつくる福岡のメーカーです。
イシハラスタイルと同じく股旅社中の会員でもあります。
すでにおさまった様子を見ると途中の苦労に気付きませんが、
キッチンユニット自体をきっちり仕上げることに加え、現場にきちんとおさめるにためは、
組み上げ方や取り付け方など、密なやりとりがあってこそであり、
今回のキッチンでは初め試みた仕様も多く織り込まれていて、
村澤さんは施工の前日は寝つけないほど心配だったそうです。
果たして結果は、上々です。村澤さんも一安心。
大瀧さんも中村さんも感心されています。微細な調整や改良を現場で確認し合い、
「タフなキッチンver.2」のワークショップは完了しました。
近日、お客様にご覧いただくそうですが、
「きっと喜んでいただける!」と、石原さんも納得の表情でした。