ソファのデザインライブ 写真・文 エーランチ

イシハラスタイルと家具デザイナーの村澤一晃さんのワークショップ。
蒲郡のA邸に続いて碧南市で施工中のH邸を参観しました。

この現場のワークショップのテーマは、ソファデザインです。
お客様の要望をもとにすでに平面プランの基本はできあがっている状況で、
リビングの壁一面に造作ソファを設置することになっています。
このソファのデザインを本日、この現場で、具体的にします。

まず、イシハラスタイルの智葉さんが村澤さんにオリエンテーションします。
村澤さんは、耳を立てるようにして話をよく聞き、図面から煙がでるほどプランを凝視し、
お客様がこのソファに一番望むことを確認しながらまずソファのサイズと構造、
用途と構造を踏まえた基本的な形態アイデアを提案します。

ふむふむと身を乗り出してくる智葉さんと石原さん。
村澤さんのアイデアに食らいついてきます。
「それいいですね、でもココはどうしましょうか」と、窓との関係やキッチンとの関係、
お客様の要望など、ソファに関わるいろいろな要件を並べてアイデアを検証します。

なるほどなるほど、と村澤さん。
「それならこんなふうに形態を変えましょう」、
「それは変えなくてもこちらを変えれば要件を満たしますね」、
「そこは変えなくてもお客さんの要望に反していないですよね」、
「むしろこうしたほうが要望にかなっているのでは」
と、アイデアを磨きあげていきます。

やりとりを聞いていると、何もない現場にソファのイメージが浮かんでくるようです。
協議しながら、村澤さんは平面図にソファの立体スケッチを描きます。
修正したりアイデアを加えたり、さらにイメージは具体化していきます。
およそ1時間のワークショップで、ソファのデザインが固まりました。

村澤さんはかねてから、デザインは現場で生まれるもの。
自分の頭の中で描くのではなく、関係性の中から紡ぎ出すものがデザインだと言っていました。
それを目のあたりにした思いです。わずか1時間余りですが濃密なやりとりが行われました。
プロフェッショナルの楽器演奏者が集まって音を出しながら曲をつくりあげるように、デ
ザインもセッションライブのように生み出すこともあるんだということを実感しました。

もちろん、現場に集まりさえすればいいというわけではありません。
建築と家具の知見、お客様への心配り、材料や技術に関する深い造詣。
そういうものが集まってこそのデザインライブでした。