家づくりへの思い

イシハラスタイルの家づくりは、
1回目の打ち合わせからお引き渡しまで、だいたい一年半です。
ヒアリング完了までに3か月、プラン決定に2か月、
コスト検討に2か月、設計に3か月、工期が8か月。
春に打ち合わせに来られて、年内に入居といったスケジュールを
考えていたお客様からは驚かれたり、あきれられたりすることも。
しかし、イシハラスタイルが考え、実践している家づくりは、これが適切であり、
一緒に家づくりをされたお客様には結果的にご納得いただいていると思っています。

効率や時間を優先して丁寧さを失ったり妥協のないつくりを徹底することが理由の一つですが、
他にもたとえば、職人さんは気心が知れた腕と人柄に信頼がおける人に
できるだけ一から十まで自分の手を動かしてもらうようにしていることも関係があります。
天候や段取りの都合、掛け持ちの現場もあり、工事の間が空くことがあります。
その時々で手順を変えたり職人が入れ替わりして間を埋めることが一般的ですが、
責任とやりがいとお客様への思いを貫いて現場を進めてもらうためには、
その人ができるすべてに関わってもらうのが良いと考えるからです。

対応エリアは、事務所から車で30分以内のところにしたいと思っています。
1時間くらいでもできないことはないのですが、
お客様と職人と現場とが、できるだけ近い距離にいるのが良いやり方だと考えるからです。

建築は繋がりから生まれるものだというのが、私の考えです。
いい家を建てるのは誰かと問えば、それはいいお客様が建てるのです。
私たちがいい工務店になるには、いいお客様と出逢い、
いい繋がりを持ちながら一緒に取り組むことが不可欠なのです。
そして、設計士と大工と職人、家具デザイナー、メーカー,作庭師たちが
いい関係で繋がったプロ集団としてお客様のための家づくりに向かう。
そんな繋がりを大切にして、この一棟と真摯に向き合い、
丁寧に丁寧に考え抜き、これでもかこれでもかとより良いものを探る。
お客様との対話にも、設計にも、工事にも、そして引き渡してからのおつきあいにも、
すべてにおいて匠の精神を注ぎ、家づくりに取り組みたいと考えています。

地元の工務店ということにこだわりを持つのも、地域と住まいと人との繋がりこそが、
良い住まいづくりに欠かせないことだと考えるからです。

子どもの頃から古代の人の暮らし方や住まい方を想像することが好きでした。
どうしてこの場所に暮らすことにしたのだろう。
雨風がしのぎやすいからなのか。食料が調達しやすいからなのか。
そんな興味がつづき、大学では自然の地形や都市の成り立ち、
気象のことを学ぶ地理学を専修していました。
社会に出るときには、地域に根ざした町づくりができる仕事がないかと思い、
不動産を扱う地元の建設会社に就職しました。
そこで「建築」と出会い、建築も街の要素なのだと気がつき、建築の世界に興味を持ち始めました。
建設会社では現場監督を経験し、その後海外留学の機会を得て、設計事務所にも勤め、
大工の技術を身に付けたいと考え親方に弟子入りしました。
大工修行中に建築士の資格を取得し、イシハラスタイルを設立し、今に至っています。

あるとき、会社の特徴を言い表わすために、
イシハラスタイルのことを「建築家大工」と呼んではどうかという提案を受けたことがあります。
しかし、私たちは建築家という言葉に違和感を覚えました。
建築家の仕事が作品と呼ばれたりするのが違和感の一つだと感じます。
住まいは作品なんだろうか、と。
では、イシハラスタイルは何だろうと自分に問いを向けたとき、
「棟梁でありたい」と考えました。

イシハラスタイルは棟梁の志を持ち、
地元の豊かさを大切にする工務店でありたいと考えています。
住まい手としっかり繋がって、
設計、デザイン、現場、暮らし、建物、庭、環境が
一体になった家づくりをめざしています。


石原 真 ishihara makoto

イシハラスタイル代表。1974年生まれ。
県立西尾高等学校、愛知大学卒業。
一級建築士であり、大工でもある。